広い敷地を活かし、平屋のゆったりとした間取を心掛けた。敷地が駅直近ということで、人通りが多いため、庭に対してオープン過ぎる計画は避け、建物の中に半屋外的な「インナーコート」を設けた。インナーコートの上部には、二つの天窓を通して大きな空が広がり、光あふれ、平屋で大きなこの住宅の暗くなりがちな中心部に大きな恩恵をもたらしてくれている。
全体に仕上げには自然素材を用い、特に地産材である西川材の杉・檜材のフローリングや羽目板を多用。その他の壁面には珪藻土の左官仕上げとし、木の香あふれ、清浄感漂う室空間となっている。
また、環境配慮への取組みとして、大きな屋根面を持つ特性を活かし、太陽光発電システムを導入し、高性能エアコン等の採用と併せ、省エネルギー化を目指した。
平成22年7月 竣工
ダイニングキッチン
勾配天井で高さのあるゆったりとしたスペース。コミュニケーションのとり易い適度な距離感で会話が弾み、料理に、食事に楽しい時間が流れる。
リビング~ダイニングキッチン
勾配天井でつながる高さのある広々オープンなスペース。インナーコートからの光でさらに明るい空間となっている。TPOに合わせ適宜建具等で間仕切って使用できる。
応接室
無垢材のフローリングと腰羽目で和テイストな一部屋。書斎コーナーとの境にアクセントの落し掛けを配す。
和室
インナーコート<中庭・光庭>
大きく空に開いた窓から降り注ぐ光の恩恵を受け、時間と共に移ろいでいく光と影のコントラストが、半屋外的な異空間に趣を与える。
浴室
壁、天井に檜の羽目板を配し、木の香あふれ、広々とし落着いたリラクゼーションの空間。
Photo by 金子滋